オーディオシステムのチェックCDとして、ヴォーカル作品を使う人は多いと思います。
人の声がどのように聴こえるか判断しやすいことと、ロック/ポップスの作品と比べると録音が良いものが多い点などがあげられます。
当方は、”Vocal”というジャンルを作ってリッピングしていますが、人によってはJazzのカテゴリーがシックリする作品もあると思います。
クラシックの場合はホールトーン、部屋の残響も含めて録音されることが多いのに対して、それ以外のジャンルは、各パート毎に録音し、エンジニアがそれらを合成して1つの作品に作り上げるのが主流です。
マルチトラック作品の場合は、各パートが鮮明に再現される反面、自然な空気感、正しい位置関係がわかり難くなります。
クラシックしか聴かない人、クラシックを聴かない人だと、スピーカーの評価やセッティング方法が大きく異なるのはそのためだと思います。
以前に紹介したクラシック編もよろしければご覧ください。

オーディオファイルのためのヴォーカルCD
Ann Sally / fo:rest
アン・サリーはひととおり持っていますが、初期3枚のアコースティックな作品が好きです。日本語のうたをチェックとしてよく使います。
この作品は、初期3枚の内容に近く、アコースティックに回帰したという意味で貴重です。彼女の作品では一番入手性が悪いかもしれません。見つからない場合はとりあえず、Day Dream、もしくはMoon Danceがお勧めです。
Livingston Taylor / Ink
1曲目冒頭の口笛の質感に注目して聴いています。
音数が少なくシンプルな作品のため、音と音の間の静寂感を確認するのにも良いと思います。
Noon / The Best of Noon
ヴォーカル作品においては、最近は定番の作品をカバーするアーティストが多いと感じます。
オリジナル曲を作れない、という事なのかもしれませんが、突出した歌い手の技量、もしくは優れた録音など、特別な何かがないとインパクトを残すのは難しく、違和感を感じることも少なくありません。
この作品はその点では、優れた録音として紹介します。
リマスタリングCD専門レーベルとして一部では有名なPremium Recordsからのリリースです。
従来の作品は、特別な何かを感じることはできませんでしたが、これは明瞭度が高く、音に力もあります。リマスタリングとしてうまく成功した作品だと思います。
通常の流通ルートでは販売されていないかもしれません。
Sara K / Are We There Yet?
当方はXRCDです。通常版とどの程度変わるのかわかりません。
どちらかというと楽器の質感の方に耳がいきます。
アコースティックな作品ですが、強弱の”強”が良く分かります。
メタル系のツィーターだと、部分的にかなり神経質な音がします。どれだけうるさくならずに再生できるかに注目しています。
Peter Fessler / Here’s That Rainy Day
ハイトーンの伸びやかな歌声。作品も録音も自然体という印象。
Alison Krauss / Forget About It
従来はカントリー調が多い彼女の中では、もっともポピュラー寄りの作品。LPとSACDはかなりのプレミアが付いていますね。
ポップスとして内容、録音ともに鉄板の1枚。
Silje / Brevet
ノルウェーのセリア。彼女の作品は何度か紹介していますが、最も好きな作品がこれです。通常は英語作品ですが、これは現地語です。内容、録音ともに彼女の作品では最もお勧めです。
Corrinne May / Beautiful Seed
今回はあえて取り上げませんでしたが、高音質系女性ボーカルのコンピレーションとして人気の、Best Audiophile Voicesの一連の作品の中でも強いインパクトを残していたコリン・メイ。初めて聴いたときは、宇多田ヒカルと間違えました。似てますよね…。
残念ながら、前述のBest Audiophile Voicesに収録されている時ほど録音は良くありませんが、歌い手としての期待を込めて。新譜が出るたび買ってしまうので、そう思わせるなにかはあるのだと思います。
矢野 顕子 / Home Girl Journey
矢野顕子のピアノ語り弾きアルバム。シンプルな作品です。ピアノの質感がとにかく素晴らしいです。
V.A. / テイチクアワー 一五一会
絶対にジャケ買いしないCDですね。
安く転がっていると思いますので、ネタとして。
一期一会という楽器をモチーフにしたオムニバスです。
ジャケットのメンツのとおりやや演歌色が強いです。これは単純に録音エンジニアが素晴らしいので、高音質になったと思われます。オーディオファイルには石川さゆりは有名でしょうか。
以上10枚紹介してみました。
気が向いたらまた別の作品も紹介します。
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