オーディオのアースとシャーシ電位について

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オーディオにとって電源環境はとても重要な要素の1つだと思います。
今回はアースとシャーシ電位についての考察です。

当方は7年ほど前に戸建てを購入しました。

その際に電源関係で、電気屋に指示したのは下記のとおり。
・従量電灯C契約
・電線は全てVVR(オーディオ以外も)
・全てのコンセントは挟み金具を使わずボックスに取り付ける(オーディオ以外も)
・オーディオ機器は別分電盤から供給。ブレーカー1つに壁コンセント1とする(渡り接続をしない) 各ブレーカーの相を合わせる。

参考: 分電盤の配線状況による影響について

予算の関係と、アースに対しては懐疑的な部分もあったので、アース工事は行っていません。

オーディオのシャーシ電位を下げる

まず、シャーシ電位とはなんでしょうか?
オーディオ機器に限らず、電気製品は電気が流れることで、筐体(シャーシ)が帯電します。この帯電した電圧のことをシャーシ電位と呼びます。

原則として電位が低いのが理想です。

シャーシ電位の測り方

テスターは必須ですので、何か用意しましょう。当方はSANWAのPM10というモデルを使用しています。現在はPM11になっています。

1. コンセントの極性確認

コンセントには極性があります。壁コンセントの極性が正しいか確認します。
差し込み口の左右の長さが異なるのが分かるでしょうか。

長い方(写真だと左側)がN(ニュートラル)、短い方がL(ライブ)です。
j1_ac
テスターを交流の位置にセットし、片側を手で押さえ、もう片方をコンセントの穴に入れてみます。ニュートラル、ライブそれぞれの電圧を測定します。

ニュートラル側の数字が低ければ正しい結線がされています。

また、この状態でオーディオとコンセントを1対1としている場合、各コンセントが同相かチェックを行います。
テスターで2つのコンセントのL(ライブ)間の電圧を測定します。
数字が0V付近であれば同相、200V付近なら逆相です。
複数コンセントがある場合は、全て同様にチェックします。

2. 各機器の極性確認

次に、各オーディオ機器の極性が正しいか確認します。

機器は何も繋がっていない状態で、電源を入れます。
先ほどと同じように、テスターを交流の位置にセットし、片側を手で押さえた状態で、機器の金属部分にもう片方を当てます。

一度電源を落とし、電源プラグの向きを変えて(3Pの場合は変換プラグを使う)、再度同じように測定します。

両者を比較して電圧が低い方が、正しい極性です。
ケーブル側に極性表示が付いている場合でも、実測で電圧が低い向きにした方が良いと思います。とりあえず手持ちのオーディオ機器の極性を全て整えます。

当方の環境だと、プリアンプで正しい極性で6V、逆の場合で15V位でした。

アースは落とすべきか

アースはとても難しい問題です。

家庭用電源とは独立したオーディオ用の正しいアースがあるのが理想ですが、現実的には導入のハードルは高いと思います。

中途半端なアースであれば、割り切って全部浮かす方法もあります。
当方はずっと浮かしてきました。

具体的には、
・ブレーカーから壁コンセントの電線はアース線を繋がない。
・電源ケーブルのプラグにもアース線を接続しない(ケーブルは自作)。
としていました。

ラインケーブル(RCA/XLR)で繋がれているオーディオ機器は、ケーブルによってアースが繋がっています。
※デジタル光ケーブルのような例外もあります。

このため、3ピンのアース付き電源ケーブルを使用すると、2重にアースが繋がることになり、いわゆるアースループを発生します。このアースループは、配線が長いほど大きくなります。例えば別のブレーカーから各機器を繋いでいるような場合には、より大きなループを発生してノイズを拾いやすくなったりするケースも有ります。

このアースループを避けるために、割り切って全てのアースを浮かしていました。

この状態で、機器間のケーブルを接続した状態のシャーシ電位はおおよそ5V位でした。
アースを落とした状態でどの程度の違いがあるのか実験してみました。

先に述べた通り、機器間のグランドはラインケーブルを通して繋がっています。
このため、アースはどれか1つ落とせば問題ありません。
逆に複数落とすとループが発生してしまいます。

電気は電位の高いところから低いところへ移動します。
一般的にプリアンプ等の上流機器でアースを落とす事例が多いと思いますが、本来は一番シャーシ電位が低い機器に落とした方がより効果が高いと言えます。

当方の使用機器の場合、プリもパワーもアースを取れない2ピンケーブルのため、今回は外付けHDDの外部電源を使用しました。
※機器によっては、3ピンでもアースが内部で繋がっていない場合もあります。とりあえず繋がっている機器で実験してみましょう。

まず、ブレーカーから壁コンセントのアース線を繋ぎます。
コンセントにアースが繋がっているかを確認するには、テスターの交流モードででアース(グランド)とライブ間の電圧を測定します。この時に100V前後の数字になればアースが繋がっています。

アースを落とした際の測定結果はこんな感じです。
シャーシ電位

かろうじて1Vを切りました。
アースを落とすことで、どの機器もこの数字に近い値になりました。
特に20V前後あった外付HDDも1V近くまで下がったのはビックリです。

懸念事項としては、分電盤は他の家電と分けていますが、恐らくアースの大元は繋がっていると推測されるので、エアコンや洗濯機のアースを介してノイズの影響が出る心配が有ります。

こればかりは聴感上で判断するしかないと思います。
あとは、電源ケーブルのグランドラインにノイズ対策でもしようかなと思案しています。

また、PC関連の金属ケースですが、これもシャーシ電位を下げるのに役立ちますが、塗装やアルマイト処理されているケースの場合、アースがケースに落ちていない場合も多く有ります。
これもテスターで通電チェックしてみると良いと思います。

当方の所有物では、
ALIX3D/2の金属ケース、林檎派のHDDケース、ラズパイの金属ケースのいずれもアースは落ちていませんでした。
この場合は、ねじ止め部の周りをやすりで削り、ネジが筐体と直に触れるようにします。念のため、テスターで導通確認を行います。
PC関連は元々電位が高い傾向にあるので、筐体で落とすようにした方が良いです。