Karl Suske & Walter Olbertz / Mozart: Violin Sonatas KV304, KV305, KV306

どんなジャンルでもそれが好きになるキッカケとなる作品、アーティストが必ず存在すると思います。

僕にとって、ピアノ曲はサンソン・フランソワのラヴェルであり、ヴァイオリンソナタは、このズスケとオルベルツによるモーツァルトの一連の作品群です。モーツァルトが好きになったのもこのレコードのお陰です。

Karl Suske & Walter Olbertz / Mozart: Violin Sonatas KV304, KV305, KV306
ETERNA 826 648
eterna 826 648
ズスケとオルベルツによる作品は、同レーベルから7枚出ています。そのどれもが素晴らしいのですが、1枚選ぶとこのレコードです。通称、マンハイムソナタと呼ばれる6曲の作品でも、唯一の短調作品であるKV304が収録されているからです。作曲時期に母親の死があり、その悲しみを連想させるような作品です。

モーツァルトの凄い所は、”ひらめき”だと思います。後世の作曲家と比べれば単純な作品ですが、シンプルな曲の中でこれだけの世界観を作れる所が天才なのでしょう。

この曲は色々な演奏を聴きましたが、ズスケとオルベルツの作品が最も好きです。例えばグリミュオーとハスキルによる同作品のレコードも所有していますが、KV304だけ違和感が有ります。音色が明る過ぎるように感じるのです。

途中で長調に転調するあの瞬間に、神の存在を感じます。音楽で感動する事はたくさんありますが、この感覚はクラシックでしか体験できません。