NASと外付けHDDの音質比較

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オーディオ業界的には、ネットワークプレーヤーが高音質であるという風潮がありますが、本当にそうでしょうか?

ネットワークプレーヤー推しの理由の1つに、メーカー、販売店ともにPCに対するスキルが殆ど無い事が挙げられます。実際、パソコンが苦手な人にはネットワークプレーヤーの方が向いています。

ネットワークプレーヤーは、NASを使う必要があるため、興味が有りません。

NASと外付けHDDはどちらの方が高音質か?

1. 実際に音質を比較してみた結果

ネットワークプレーヤーは選択の余地がありませんが、PCで再生する場合は、どちらも選択が可能です。
僕はLinuxで再生しています。Linuxの場合、マウントをし直す必要が有り面倒ですが、WindowsやMACを使っている方であれば、簡単に実験できると思います。

結論から言えば、外付けHDDの方が音質が良いと思います。

一昔前の定番、QNAPのアナログ電源追加モデル、巷で評判のいくつかの高級機、HUBやLANケーブルも吟味した上で、外付けHDDと同じ音源を比較した場合、お世辞にもNASの方が優れているとは感じません。

NAS同士で比較すれば、HUBや電源で確かに差が出るのですが、オーディオグレードのNASでようやく外付けHDDに近いレベルという印象です。

※NASはNFSでマウントできるものはNFSを利用していますし、DLNAサーバーを含む不要な機能は全て停止しています。

ローカルHDDに限りなく近い音質になることはあっても、NASの音が良い事は無いと思います。

NASと音楽再生PC(もしくはネットワークプレーヤー)の間にHUBが介在し、最低でもLANケーブルが2本必要です。LANケーブルを経由したノイズ問題、LANケーブルの吟味、HUBとNASの選別、それらの電源の選別…とこれだけでもかなり複雑なシステムです。

NASの場合はそれらの1つ1つを対策することで音質が向上します。ただ、それらを対策してはじめてローカルHDDの条件に近づきます。良くなったのではなく、悪くなくなったと考えるべきです。

外付けHDDは、音楽再生PCに繋ぐだけなのでシンプルな構成が可能です。
ただし、外付けHDDはFireWire、もしくはeSATAで繋いだ方が良いと思います。音楽再生PCとDAC(DDC)をUSBで繋ぐ場合、USBが2本繋がることで割り込みによるクオリティー劣化を避けるためです。

CuBoxを使っているのはeSATA接続ができるからです。

外付けHDDが唯一不便なところは、リッピング(ダウンロード)するPCと再生するPCが異なる場合、繋ぎ替えが必要なところです。

複数のPCからアクセスできる点においてはNASは便利ですね。

リッピングするWindowsPC内のHDDをマスターとして、外付けHDDにコピーする方法をとっています。音源のコピーは、FastCopyというソフトを使用しています。このソフトが便利なのは、マスターとクローン間の差分ファイルだけを上書きできるということです。新規でリッピングした音源だけを自動で追加コピーできます。タグ情報を変更した場合でも同様です。また、ベリファイもできます。

参考: Windows系最速(?)のファイルコピー&削除ツール FastCopy

HDDは必ず寿命がありますので、コピーすることは大事です。このソフトは、NASにおける同期作業と同じことができるので非常に便利です。また、LANケーブル経由のコピーと比較し圧倒的に早いのも特徴です。
なお、RAID1(ミラーリング)モードをしてもデータのバックアップの観点から考えると殆ど意味が無いと思います。別のNAS、もしくはローカルHDDへの定期的なバックアップをお勧めします。

※2014/10/1追記 rsyncによる同期方法を紹介しています。
上記FastCopyより速度はかなり落ちますが、HDDを繋ぎ替えることなく、音源の同期も可能です。

rsyncによるローカルHDDとの同期
前にCuBox関連で書いたように、PCオーディオの音源はNASではなくローカルHDDから読み込みを行っています。ちょうどHDDの容量がいっぱいになってしまい、買...

2. ネットワークオーディオと、PCオーディオについて

ここでのネットワークオーディオとは、DLNAに準拠したネットワークプレーヤーを指します。ネットワークプレーヤーはDLNAサーバーを介して音源を読み込むのに対して、PCでNASの音源を読み込む場合は、DLNAサーバーを介さず、直接CIFS/NFSでアクセスします。

ネットワークオーディオにおいては、LINN DSやLUMINの再生ソフトは確かに優れていますが、MPoD(もしくはMPaD)の操作性に慣れてしまうと、反応が悪く使い難く感じます。

ネットワークプレーヤーの場合は、プレーヤーの性能や、再生アプリ以外にもDLNAサーバーの機能にも操作性が大きく依存されます。
現状のDLNAサーバーは使い勝手が良いとは言えず、実質的にフォルダー階層を遡って音源を選択しなければいけない場合が多いのに対して、DLNAサーバーを使わないPCオーディオの場合は、アーティスト名、アルバム名などで選曲する場合でも楽曲の取りこぼしが有りません。

ネットワークプレーヤーを使う場合でも、CDのリッピングやダウンロードはPCで行います。そのPCがNASにアクセスする際は、CIFS/NFSといった方式になるのに対して、ネットワークプレーヤーは、DLNAサーバー経由です。

PCで見たタグ情報と、ネットワークプレーヤーで見たタグ情報が異なることがあるのは、そのためです。

ネットワークプレーヤーの機能を比較する上で、ギャップレス再生、AIFF対応、DSD対応、プレイリストの作成、保存などがありますが、これらの機能はPCオーディオでは当たり前に使えるので、話題にすらなりません。

Volumioなどの幾つかのLinux用ディストリビューションにおいて、DLNAクライアントソフトで動かす機能も搭載していますので、ネットワークプレーヤーと同じ事ができます。NAS側にあえて負荷のかかるDLNAサーバーを立て、操作面で劣るDLNAで動かすメリットは無いと思いますが…。

実際に同じファイルを、同じNASから読み込む場合でもNFSとDLNAで比較すると、再生PCのCPU使用率はNFSの方が少なく音質も良いです。

最近は、オーディオ用NASにUSB DACと直結できる機能を売りにする製品も登場しています。
この場合でもKinskyなどのDLNAクライアントソフトで操作します。あえて操作性の悪いDLNAクライアントを使わせるに違和感がある点と、実際のところ、同じNASを使う場合でも別のPCを介して再生した方が音は良いと感じます。

結局、この場合もPCが苦手な人への配慮と考えた方が良さそうです。

Linux導入のハードルが高いと感じる方でも、
JRemote (JRiver Media Center)
A+ Remote (Audirvana Plus)
などのWindows、MAC用のアプリもありますので、遠隔操作する方法は幾らでもあります。

コメント

  1. よんまる より:

    外付けHDDが音質的に上回っているのは林檎派(もしこの記事が書かれたころから利用されているのなら)のケースが優秀だからではないでしょうか。

  2. ペリ より:

    よんまる様

    この記事を書いている時点で林檎派、esata接続、アナログ電源は使っていますが、比較しているNASは価格的に10倍以上の物です。状況によって差が分かり難い事はあっても、NASの方が良いと思ったことはありませんでした。わざわざ高い投資をして、複雑な配線をする気にはなれませんでした。

  3. よんまる より:

     オーディオ製品は価格と音質が必ずしも比例しませんが、HDDは音質を競う製品ではありませんし、電源部を置き換えているならなおさら価格は音質を量る上では当てになりません。ですから10倍の価格の製品の音質を上回ったからといって、即一般論として eSATA接続HDD > NAS となるわけではありません。
     音質は接続インターフェイスによって変わりますが、他に電源やケースによって大きく変わります。電源についてはそれぞれ改善されたとのことですので、この記事の比較試聴については主にケースの違いによる音質の違いを聴いた可能性が考えられます。そう考えると eSATA接続HDD > NAS というよりも林檎派のケースが優秀であるために複数の機種のNASに完勝したとも思われます。

  4. ペリ より:

    よんまる様

    比較したNASにも同じアナログ電源を使っています。もしくは電源内蔵の高級機です。Linuxでの再生のため、NASはNFS接続できるものはNFSで、できないものはCIFSで接続し、DLNA等の不要な機能は落としています。林檎派は金属ケースを採用していますが、特別な物ではありませんので、一般論としては、ローカルHDDの方が良いと思います。

    CPU負荷で比較しても、NASよりもローカルの音源を再生した場合の方が負荷は少ないです。ハイスペックPCで再生したり、音質を追及したNASを採用すれば差は無くなるのかもしれませんが、一般流通している物で同条件で比較すれば経験上、ローカルの方が良いという判断です。

  5. よんまる より:

     eSATAとNASについては比較試聴記が余り出回っていないため分かりにくいのですが、NAS > eSATAとしたものもあります。この記事による比較試聴はeSATAとしては林檎派ケースを使用したのもしかなく、他の試聴記を否定して一般論としてeSATA > NASと結論付けるには余りにも数が少なすぎます。
     林檎派ケースは特別なものではないとされています。私は現物をっ触ったことはありませんがしっかりした金属製ケースのようであり、On爺氏はHDDを比較試聴するためのケースとしても選定しています(もちろんOn爺氏はこれが高音質と明記しているわけではありませんし、On爺氏が選んだから絶対よいと考えているわけでもありませんが)。したがって、林檎派ケースは特に高音質のケースである可能性は高いと考えており、当記事もそのように受け止めております。

  6. Fuji より:

    横から失礼いたします。Fujiと申します。
    私もペリ様と同じ様に感じています。
    私の環境はVine Linux 6.1にMPDを構築したもので聴いています。この音源ですがMPDを構築しているPCのマザーボードのSATAコネクタに直接接続した3.5インチHDDを使用しています。以前NAS経由で聴いた事がありましたが、どう聞き比べてもSATA直結HDDの方が音質的に優れていると感じています。又、その時の聞き比べたNASの構成はMPD専用に構築したもので、NAS、ハブ(5ポート)、クライアントPC,、それとVine mpd用PC、だけの構成で、ルーターは使わず、インターネットにも接続していません。つまり、必要最小限の構成に抑え、さらにNASとハブにはアナログ直流安定化電源を用い、ハブの空きポートにはターミネーターを装着し、ランケーブルの間にはLANアイソレーターのRLI-1を挿入した構成で比較しました。この様な対策を施しても、SATA直結HDDの音質に近ずきますが決して超えることはありませんでした。又その音質差はSATA直結HDDの方が良いと一聴して分る程です。現在はメインシステムにVine mpd+SATA直結HDDを据えて、ながら聴き用にAPU.1D4-Lightmpdを先程のNASにつないで聴いています。

  7. ペリ より:

    よんまる様

    以前、MACやWINDOWSでPC内蔵のHDDとNASを比較しても同様の印象を持っています。
    USBを2つ繋ぐことは推奨しませんが、Firewireでも良いと思います。
    バッファローのN1Z、N1A、421、ジグソーのZSS1、インテグリータも視聴経験がありますが、印象は変わらないです。
    ネットワークプレーヤーにはNASが必要ですから、業界的にNASの使用を推奨している風潮に疑問を感じ、この記事を掲載した次第です。

    Fuji様

    私もlightMPDはサブシステムとして運用しています。
    原理的には極限まで軽量化した理想の方式だと思いますが、ローカルHDDが使えないのが残念です。

  8. よんまる より:

    わたしの場合、はじめにSATA外付けからMASのLinkStation miniにデータをコピーしたときの比較として音の傾向の違いは感じたものの優劣はない様に思われました 。
    そのときはNASとの間にhubを1台挟んだ状態でした

    その後hubを4台に増やし、NASをRockDiskNext に交換し、より高音質となった為、SATAを上回っています。
    またネット上にはほかにもNASよりもiEEEが良かったとする報告もある一方でeSATAよりもNASが高音質であったとする報告も存在します。
    したがって一般にSATA>NASであるということは出来ません。
    オーディオ雑誌等がろくな比較もなくNAS一辺倒である風潮についてはわたしも疑問に思っております。