音楽再生ソフトRoonについて

“Raspberry Piでオーディオ”シリーズにしようと思いましたが、独立してRoonとして紹介します。

少し触っただけで書いていますので、まだまだ勉強中の段階です。

音楽再生ソフトRoonについて

Roonとは、再生プレーヤーとライブラリ管理を含めた総合的な音楽鑑賞システムです。

当初はスルーするつもりでしたが、試してみようと思ったのはMusic TO GO!のこの記事を読んでからです。

uPnPとRoonの違い

その理由はまずuPnPではエンドポイント(DLNAレンダラー)で音源の読み込み(ファイルのデコード)が必要であることです。このためレンダラーに開発も含めて負担がかかるわけです。
RoonではHQ Playerのシグナルパスを見てもわかるようにCoreが音源の読み込みを一括で行い、ゾーン(エンドポイント)へはデジタルストリームとして渡されます。つまりはFLACだのMP3だのはすべてRoonが扱ってくれます。
ですからRoonReady/RoonSpeakersのプロトコルであるRAATにおいてはサポートするフォーマットという項目はありません。Roon(Core)がDRMや独自形式なども含めてすべてデコードすることを前提にしているからです。これはオーディオ機器側のファームアップデートも最小にし、特許問題なども負担がかかりにくいことになります。
またuPnPではストリーミングの独自形式の対応に弱いことも、Roonでは上と同様にCoreで統合して扱うことができます(たとえばTidal)。
またこのCoreでRadioや信号処理などを統括して提供することができます。

そしてRoon開発者はuPnPに批判的な大きな理由として、uPnPはユーザーにとって優しくない(ユーザーエクスペリエンスが良くない)と言う点をあげています。ユーザーエクスペリエンスというのはユーザーから見た使い勝手、操作しやすさ・快適性のようなことです。

参考: RoonとuPnP(DLNA)の違い、Roonの優位性、RAATの必然性

僕は以前からDLNAに対して批判的なスタンスをとっていますが、RoonがDLNAを批判する理由と全く同じ考えです。

ふだんMPDに慣れた身としては、DLNAのレスポンスの悪さ、融通の利かなさは音質を語る以前に使う気がおきません。

一部で話題のJPLAYというソフトについても、再生アプリがDLNAクライアントである時点で取り組む気が半減しました。これについても、機会があれば記事にしたいと思います。

1. Roonの構造

Roonは、DLNAともMPDとも異なる伝送方式で、いくつかのコンセプトがあります。

まず、大きく分けて3つの役割分担があります。
※画像はメーカーサイトより引用しています。
roon

Core

文字通り中核になる部分。ライブラリの管理、音源の読み込みと送り出しなどを行います。
Coreはシステムに対して1つしか存在できません。
また、契約もCore1つにつき1ライセンスです。

金額は
119USD/年
499USD/永年
です。

Control

画面操作を行います。MPDやDLNAクライアントソフトと同じ考え方です。
タブレットなど、Coreとは別のハードウエアで遠隔操作することをRoon Remoteと呼びます。Roon Remoteは、Outputの機能も備えます。例えば、iPhoneで選曲して、イヤホンでそのまま再生することもできます。

また、MPDやDLNAの場合は、操作部と本体を切り離すという考え方ですが、Roonの場合は、PC本体で選曲する時のように、ControlとCoreが1つのハードウエアに存在することもあります。

反対に、PCでは操作をせずに、タブレットなどで遠隔操作を行う前提の場合は、RoonServerという概念もあります。
PCにRoonを導入する際に、操作系を除いたCore部分だけをインストールできます。

高いスペックが要求されますが、NASをRoonServerにすることも可能です。

Output

Coreが送り出した信号を受けるDAC部分に相当します。
Control + CoreがPCで、OutputがUSB DACであれば、従来のPC + USB DACと同じ感覚でRoonを簡単に導入できます。

Roonのユニークな点の1つとして、OutputをLANケーブルで接続できる機器も存在します。
この場合の伝送方式は独自のRAAT(Roon Advanced Audio Transport)という方式を採用しています。

2. RAAT(Roon Advanced Audio Transport)

オーディオ面におけるRoonの中核技術の1つです。

オフィシャルページでは、”オーディオファイルのためAirplay”と謳っています。
ようは、Airplayの利便性をオーディオグレードで、ということです。

RAATは、音声フォーマットの種類やクオリティーに妥協することなく、ソフトとハード両方のサポートを行います。

例えばDLNAだと、機種によってはAIFFが再生できない、DSDには対応しないとか、ギャップレス再生ができないとか、クライアントのアプリを落とすと再生が止まるとか、どうしようもなく不便な要素がありました。

これは、DLNAサーバーの問題、ハードウエア、ソフトウエアの問題と色々な要素をクリアしなければなりません。

Roonの場合は、Coreがこれらの処理を一括で行います。つまり、ハードウエア側で、AIFFとかギャップレスとか考える必要がありません。
※もちろん、Output側でDSDに対応するとか、PCMでも192k/24bit対応とか、最低限必要なスペックはあります。

DLNAやMPDの場合は、無数にあるクライアントソフトから好きなものを選べます。
Roonの場合は、自前だけになると思います。

RoonはDLNAを批判する際に、ユーザーエクスペリエンスが良くないと指摘していますので、当然自前のソフトウエアにはそれなりの快適性が組み込まれています。

ただ、どんなソフトウエアにも癖はありますし、どんな物でも自分がシックリこないと意味はありません。

Roonの導入に当たっては、このソフトウエアが快適に感じるかが1つのポイントです。

また、RAATはCoreとOutputをLANケーブルで接続も可能です。この場合も、USBのアシンクロナス伝送のように、Output(ハードウエア側)のクロックをCore(PC)にフィードバックする手法が取られているそうです。

また、Output(ハードウエア)が対応しているサンプリングレートを確認できます。これも、ユーザーフレンドリーな機能の1つです。
roon_hifiberry

Raspberry Pi & I2S DACをOutputとして設定した時の画面です。
緑の文字がビットパーフェクトで再生可能な範囲。ラズパイとI2SはPCMの192kまでの対応。
※ラズパイでRoonの対応方法は次回に紹介します。

3. 実際の操作画面

実際の操作画面を幾つか載せておきます。
なんとなくイメージできると思います。

roon_play1
再生している曲のフォーマット、周波数まで確認できます。

roon_play2

特定のアーティストを選んだ場合、ライブ情報や、似ているアーティスト、影響を受けたアーティストなどをライブラリから紹介します。

ここでは、僕のライブラリの中だけになりますが、Tidalのサービスを契約すれば、それらの膨大な情報から紹介もしてくれるようです。これは、結構面白いと思います。

例えば、Belle and Sebastianの場合

roon_play3
似ているアーティスト。まあ、自分のライブラリなのでそんなの知ってるよ。と、なりますね。

roon_play4
影響を受けたアーティスト。ちゃんとFeltが入っていますね!

roon_play5
何聴こうかな?って悩んでいる時に、これは面白いですね。アーティスト、レーベル、ジャンルなどを横断してランダムで紹介するようです。

僕は、自分なりのライブラリ構築をしていますので、特定のルールに従ってタグ付けを行っていますが、Roonにおいては、それらのタグ付けが置き換えられてしまうケースもあります。

Roonの情報量は既に膨大なものですが、自分のライブラリをそれらのdata baseに委ねられるかも、1つの導入のポイントになると思います。

続きます。

前回の続きです。1. Coreに要求されるスペック 2. RoonReadyとRoonBridge 3. Raspberry PiのRoon...

この投稿をシェアする

PR