SACDレーベル特集第2弾はドイツのグラムフォン編です。
前回のフィリップス編はこちら

最初に断っておくと、グラムフォンにDSD録音は無いと思います。
PCMのハイレゾ、48kHz/24bitとか96kHz/24bitなどで録音し、編集して最後にDSD変換してSACDを作成しています。
大手レーベルですので、比較的枚数が多く名演奏、名録音が少なくないこと、PCMマスターであっても、CD層とのクオリティー差が十分感じられますので、第2弾として取り上げることにしました。
そのグラムフォンも現在はSACDのリリースを行っておりません。
現在では高音質ストリーミング、マスターと同じPCMハイレゾ音源が販売できる環境があるため、あえてSACDというパッケージに拘らなくなったと思います。
レーベル別SACD特集 ドイツ・グラモフォン DGG(Deutsche Grammophon Gesellschaft)編
世界で最も古いクラシックレーベルです。
参考: ドイツ・グラモフォン – Wikipedia
Martha Argerich & Mikhail Pletnev / Prokofiev: Cinderella Suite, Ravel: Ma mere l’oye
DGG – 474 8682
連弾の作品を多く残すアルゲリッチですが、相手としては最も実力的に均衡しているのが、このミハイル・プレトニョフとの作品です。
明瞭度が高く、静から動への移行する空気感良く分かります。
プロコフィエフのシンデレラの最終曲は、ピアノ作品としては低域のエネルギーがかなり入った録音で、再生能力を測る1つの指標になり得る曲です。
Lang Lang / Rachmaninov: Piano Concerto No. 2, Rhapsody on a Theme of Paganini
DGG – 477 5499
ラン・ランによるラフマニノフのピアノ協奏曲2番、パガニーニの主題による狂詩曲です。
ゲルギエフ指揮、マリインスキー劇場管弦楽団。
このパガニーニの主題による狂詩曲が好きで、今でもよく聴く作品です。
ラン・ランの躍動感ある演奏、オケとの一体感も良いと思います。
現在の最新録音と比べると少し混濁した感じも受けますが、一体感、そして何よりも生き生きとした演奏が良いです。
狂詩曲の方は、変奏毎にトラックを細かく分けているため、昔はオーディオ機器、再生ソフトのギャップレス再生対応の可否を調べるのにも良く使っていました。昨今はギャップレスできないものはかなり少なくなりました
ハイレゾ販売あり
参考: 【e-onkyo】Rachmaninov: Piano Concerto No. 2; Paganini Rhapsody[Live]
Mikhail Pletnev / Prokofiev: Piano Concerto No. 3, Rachmaninov: Piano Concerto No. 3
DGG – 471 576-2
ミハイル・プレトニョフのラフマニノフ、ピアノ協奏曲3番、プロコフィエフのピアノ協奏曲3番。ロストロポーヴィチ指揮、ロシア・ナショナル管弦楽団。
超絶技巧の代名詞の様なラフマニノフの3番ですが、テクニックが前面に出ていないというか、技術が高すぎるのかぱっと聞くと何も凄くない普通の演奏に感じます。
細部まで良くコントロールされている知的な演奏だと思います。この演奏に慣れると他の人の作品の粗が良くわかります。
録音も同様で、派手さは無いですが破綻もなくバランスの良い録り方をしていると思います。
Hilary Hahn / Bach: Violin Concertos
DGG – 474 639-2
ヒラリー・ハーンによるバッハのヴァイオリン協奏曲。
この作品はどんなオーディオシステムで聴いても一定水準の音質で聴こえる優秀録音です。
SACDのリファレンスとして持っていて損は無いです。
当然デジタル録音ですが、近年アナログ化もされました。
ハイレゾ販売あり
参考: 【e-onkyo】J.S.バッハ:ヴァイオリン協奏曲第1、2番
Anna Netrebko / Opera Arias
DGG – 474 640-2
アンナ・ネトレプコによるオペラ・アリア集。
ジャナンドレア・ノセダ指揮、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 、 ウィーン国立歌劇場合唱団。
声楽は殆ど聴かないジャンルですが、ネトレプコは声に力と色気がありますね。いろいろな意味でゴージャスな作品です。
Bryn Terfel / Wagner
DGG – 471 638-2
ブリン・ターフェルによるワーグナー オペラ・アリア集。
クラウディオ・アバド指揮、ベルリン・フィル。
近年ではもっとも豪華な布陣のワーグナーではないでしょうか。
あまり得意なカテゴリーではないので、本作の様な抜粋が自分には有難いです。
Pierre Boulez / Ravel: Bolero, Ma Mere l’Oye, Rapsodie espagnole
DGG – 00289 477 0742
ピエール・ブーレーズ指揮、ベルリンフィル。
ボレロ、スペイン狂詩曲、マ・メール・ロワ、海原の小舟、道化師の朝の歌を収録。2枚組SACDです。
派手さは無いですが、ホールトーンが十二分に感じられる作品です。
ブーレーズは、マーラーの交響曲もSACDで残していますが、品の良さ、響きの美しさはラヴェルのほうが相性が良いと感じます。
Esa-Pekka Salonen / Le Sacre du Printemps
DGG – 477 6198
エサ=ペッカ・サロネンは、とりあえず買っておけば間違いない指揮者の1人だと思います。
1曲目、ムソグルスキー、禿山の一夜の冒頭からすごいエネルギーの塊に圧倒されます。グラムフォンのSACDとして最もデモ映えする作品の1つ。
Gilbert Kaplan / Mahler: Symphony No. 2
DGG – 470 615-2
キャプランは、マーラーの2番しか振らない指揮者として有名ですね。
音楽的教育を受けていない素人だった氏は、マーラーの2番の虜になり、指揮することを夢見て30代でショルティに師事。
40代で、自費によるコンサートを実現。そこで評判になり演奏のオファーが来るようになりました。
このウィーン・フィルとの録音は、私財で購入したマーラー自筆譜を元にした新校訂版キャプラン版です。
細部までコントールされた緻密な演奏。録音のレベルも非常に高いです。
Carlos Kleiber / Beethoven: Symphonies Nos. 5 & 7
DGG – 471 630-2
説明不要の名作です。
グラムフォンは旧作をSACD化したものも幾つかありますが、その中でも定番中の定番作品です。
LP時代のアナログ録音としては最後期にあたる作品、CD時代になっても何度も再発されていますが、このSACDは1つの指標になるかと思います。
最近ではEsotericからSACD化もされていますが…。
ハイレゾ販売あり
参考: 【e-onkyo】Beethoven: Symphonies Nos. 5 & 7
以上10枚紹介してみました。
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