SACDが誕生して20年が経過しています。
多くのメジャーレーベルはSACDのリリースを辞めていますが、一部のインディーレーベルでは精力的にDSD録音は行っています。
SACDより上位のフォーマット、DSD128、DSD256録音も珍しくありませんし、ディスクプレーヤーの生産数が少なくなっている現状で、SACDというパッケージメディアにこだわる必要は無いと思います。
ただし、過去にリリースされたSACDは多くありますので、その中から主要なレーベルの作品を紹介してみたいと思います。
レーベル別SACD特集 フィリップス Philips編
最初は、SACDの本家本元の1つ、フィリップスです。
現在DSD録音を行っているインディーレーベルの幾つかは、ここから派生したスタッフが興した会社もあります。
フィリップスは98年にはユニバーサル傘下に、2007年にはクラシック部門はデッカの傘下、2009年にはPHILIPSロゴの表示が全てDECCAに置き換わりました。
Alfred Brendel / Mozart: Piano Sonatas K281, 282 & 576
Philips – 475 6199
ブレンデルの晩年の作品。
モーツァルト弾きのイメージがあるブレンデルですが、収録曲の内、ソナタ3番、17番は初録音になるそうです。
技巧的にもかなり高い水準だと思いますし、個人的にフィリップスの柔らかいサウンドとブレンデルのピアノは相性が良いと感じます。
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参考: 【e-onkyo】Mozart: Fantasia in C Minor, K.396; Piano Sonatas
Mitsuko Uchida & Mark Steinberg / Mozart: Piano & Violin Sonatas
Philips – 475 6200
マーク・スタインバーグと内田光子によるモーツァルトのヴァイオリン・ソナタ。
廃盤ですが、現在でも比較的入手しやすいSACDだと思います。
モーツァルトのVnソナタの中でも個人的に好きな曲が収録されているので選びました。
明るくもなく、極端に感情的にもならない点においては、この2人の演奏も好きな作品の1つです。
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参考: 【e-onkyo】Mozart: Sonatas For Piano & Violin
Akiko Suwanai / Poem
Philips – 475 6189
諏訪内晶子によるフランス作品。シャルル・デュトワ&フィルハーモニア管弦楽団。
個人的にはもう少し熱い方が好きですが、フランス作品ということもあり、これが王道の演奏なのかもしれません。かなり高い技巧だと思いますが、何か印象に残らない感じがあります。
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参考: 【e-onkyo】詩曲(ポエム)
Andrea Bocelli / Sentimento
Philips – 470 620-2
イタリアのテノール歌手、アンドレア・ボチェッリにロリン・マゼールが指揮とヴァイオリストとして共演。
アンドレア・ボチェッリはクラシック以外でも活動をしていて、サラ・ブライトマンとのTime to Say Goodbyeでの共演は有名ですね。
ハイレゾ販売あり
参考: 【e-onkyo】Sentimento
Viktoria Mullova / Beethoven & Mendelssohn: Violin Concertos
Philips – 470 629-2
ムローヴァのSACDはこの1枚しか無いと思います。ガーディナー指揮の古楽器オーケストラによる演奏。
メンデルスゾーンは同じフィリップスからネヴィル・マリナー指揮でもリリースされています。個人的にはマリナー指揮のほうが好きな演奏ですが、録音水準はどちらも高いと思います。
Valery Gergiev / Rimsky-Korsakov: Scheherazade
Philips – 470 618-2
ゲルギエフはフィリップスに多くの作品を残している看板指揮者の1人でしょう。
中でもこのシェエラザードは冒頭の音が出た瞬間から圧倒的なエネルギー感で捻じ伏せられます。
Valery Gergiev / Shostakovich: Symphony No. 4
Philips – 475 6190
個人的にゲルギエフはフィリップス時代が最良だと思っています。近年のSACDは何か違和感があって数枚聴いてそれ以降は買うのを辞めています。
1アーティスト1作品で選びたかったのですが、思い入れもあるのでゲルギエフは2枚紹介しておきます。
最近のアンドリス・ネルソンスの4番に耳が慣れてしまい、久しぶりにこのゲルギエフの4番を聴いてみると、テンポの違いに戸惑いましたが、このためのある雄大な演奏も悪くないです。
Seiji Ozawa / New Year’s Concert 2002
Philips – 470 615-2
小澤征爾は同レーベルから比較的多くのSACDをリリースしています。どれにしようか悩みましたが、この作品にしました。
2002年のニューイヤーコンサート。ウィーンフィル、ウィーン楽友協会でのライブ録音。
ポピュラーな楽品が多くて分かりやすいのと、華がある演奏、会場の雰囲気も良く伝わる録音だと思います。
ハイレゾ販売あり
参考: 【e-onkyo】ニューイヤーコンサート2002
Ivan Fischer / Dvorak: Symphonies Nos. 8 & 9
Philips – 464 640-2
現在も精力的に活動をしているイヴァン・フィッシャー。オランダのChannel Classicsに多くの優秀録音を残しています。
最新のハイレゾ録音と比べると少し丸いというか、クリアーな感じはありませんが、自然な空間表現でDSDの良さが良く表れています。
ドヴォルザークの8番、9番は数えきれないほどのリリースがあると思いますが、その中でも上位に入る名盤です。
当作品は、Channel Classicsからジャケ違いの同じ内容が再販されています。
DSD64での録音。
ハイレゾ販売あり
参考: 【e-onkyo】Dvorak: Symphonies Nos.8 & 9 – “From The New World”
Ivan Fischer / Budapest Live
Philips – SACD-138
どういう経緯でで制作されたのか分かりません、プロモオンリーで一般流通はしていません。
非売品ですが、中古ではそれなりに流通しています。
多くの作品を残しているイヴァン・フィッシャー&ブダペスト祝祭管弦楽団のオムニバス盤です。入手性が良ければ最初の1枚に紹介したいところですが…。
以上10枚紹介してみました。
次はドイツグラムフォン DGG編です。

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