SACDレーベル特集第3弾はアメリカのTelarc編です。
以前の特集はこちら


現在はConcord Recordsの傘下で、配給はユニバーサルミュージックが行っています。
参考: テラーク・インターナショナル・コーポレーション– Wikipedia
同レーベルは全てデジタル録音です。
初期のレコードは、一部のオーディオファイルにもてはやされましたが、現在は不遇というか、あまり注目されていないレーベルになってしまった気がします。
実際には、後期のSACDには優秀作品が多く、SACDを語る上では外せないレーベルの1つだと思います。
レーベル別SACD特集 米・テラーク Telarc編
初期はクラシックがメインでしたが、後期はポピュラー系の作品も取り扱っていますので、クラシック以外の作品も含めて紹介します。
Lang Lang / Rachmaninov: Piano Concerto No. 3, Scriabin: Etudes
Telarc – SACD-60582
DGGやSonyで多くのリリースを残しているラン・ランもデビューはテラークからです。
ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールでのライブ録音。これが最初の協奏曲録音。
全体的に水準は高いです。
演奏も録音も最高峰とは言えないかもしれませんが、「あれ、もしかして何かすごいかも?」と期待してしまうような作品です。
Turtle Island String Quartet with Ying Quartet / 4 + Four
Telarc – SACD-60630
タイトルの4+Fourは、タートル・アイランドSQとイングSQによる2つの弦楽四重奏団によるコラボ作品という意味です。
いわゆるライト・クラシックですが、質の高い演奏&録音です。
Jesus Lopez-Cobos / Music of Turina and Debussy
Telarc – SACD-60574
ロペス=コボスはテラークの看板指揮者の1人で多くの作品を残しています。
トゥリーナの作品は珍しいというか、ほとんど録音がないと思いますが、ここでのお勧めはドビュッシーのイベリアです。
いわゆる空間が見えるような録音です。
Paavo Jarvi / Prokofiev: Romeo and Juliet
Telarc – SACD-60597
そして同レーベルを語る上ではパーヴォ・ヤルヴィは絶対に外せません。
ヤルヴィは様々なレーベルから精力的に録音を残していますので、全てを追うことは無理ですが、テラーク時代も大量の録音があります。
その中でも大好きな1枚です。
プロコフィエフのロミオとジュリエットは比較的多くの録音が残されていますが、デジタル時代としては本作を一番手として推奨します。
Paavo Jarvi / Stravinsky: Petrouchka, The Firebird Suite & Scherzo a La Russe
Telarc – SACD-60587
ヤルヴィは1枚に絞れないので、2枚紹介します。
ストラヴィンスキーのペトルーシュカや火の鳥は曲の構造的に、オーディオ向けのデモでもよく使われます。
自分の手元にもレコードを含めて大量に所有していますが、その中でも指折りの録音であり、テラークを代表する優秀録音。
この作品のエネルギー感をうまく録音できている作品は意外と多く無い気がします。
多くは破綻してしまったり、エネルギーがスポイルされてしまう印象が多いのですが、とてもうまくまとめています。
Lorin Maazel / Shostakovich: Symphony No. 5, Tchaikovsky: Romeo & Juliet
Telarc – SACD-60561
テラークの作品は全てデジタル録音です。
同レーベルを語る上では米サウンドストリーム社の録音も外すわけにはいきません。
当時としては最高峰だった、サンプリング周波数50kHzのサウンドストリーム社製の4チャンネルデジタル録音機を採用したシリーズは、今でも人気が高くほとんどがプレミア価格で取引されています。
ジャケットに大きく50Khz Master Transfer Toと書かれているので直ぐに分かります。
まだコンプリートはできていませんが、自分の中では後期のテラーク録音のほうが圧倒的に好きで、このシリーズは世間的評価が高い割には超絶優秀録音には未だ出会っていません。
もちろん録音時期を考えれば検討しているのでしょうが…。
Jacques Loussier Trio / Best of Play Bach
Telarc – SACD-63590
バッハの作品をジャズにアレンジ。
割とどんな風にアレンジしても違和感の出にくいバッハの作品ではありますが、原曲の雰囲気を残しながら上手に料理しています。
録音は同レーベルの中では中庸かもしれませんが、好きな演奏の1つです。
Randy Brecker & Michael Brecker / Some Skunk Funk
Telarc – SACD-63647
マイケル&ランディ・ブレッカーがビッグバンドをバックに演奏した作品。レコード化もされています。
あまりこの手の音楽を好んで聴きませんが、ビッグバンド系の(録音的な)お勧めということで。
Tierney Sutton / Something Cool
Telarc – SACD-63548
テラークに女性ヴォーカル作品はそれほど多くはありませんが、同レーベルを代表するアーティストだと思います。
彼女の作品の中でも本作が一番好きです。
Hiromi / Spectrum
Universal Music – UCGO-9054
上原ひろみはテラークにSACDを複数枚残しています。
初期の方が作品としては好きですが、録音が素晴らしい最新作を紹介しておきます。
近年はSACD化はせずに通常CDとPCMハイレゾの配信でしたが、本作はSACDシングルレイヤーでリリースされました。
ストリーミングで96k/24bitも聴いていますが、本作はDSDのほうが好みです。
初めて聴く曲でも上原ひろみが弾いているのが分かる曲が多くて、確立された世界観を持っている人だなといつも思います。
ハイレゾ販売あり
参考: 【e-onkyo】Spectrum 上原ひろみ
以上10枚紹介してみました。
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