George Szell / Beethoven: The Nine Symphonies

珍しくレコードではなくSACDの紹介です。

George Szell / Beethoven: The Nine Symphonies
SONY SICC 10224-8

ジョージ・セルのベートーヴェン交響曲全集です。
SACDとCDのハイブリッド仕様。
ディスクは5枚組です。9番だけが独立して1枚、あとは1番と2番で1枚、3番と4番で1枚と続きます。

セルのベートーヴェンのオリジナルはエピックですが、音質は評価されていませんでした。英コロムビアの方が圧倒的に素晴らしいという話はよく聞きます。

ただし、コロムビアのオリジナル盤は超高価です。数万円から数十万円のラインです。クレンペラーで揃えるのとは次元が違う投資が必要です。

普段はあまりリマスターの類に食指が動かない方ですが、今回のSACD化はデジタルでは決定版のような気がしたので購入しました。

タワーレコードとSonyによる共同リリースです。

~リマスタリングノート~

今回SA-CDハイブリッドでの発売のために私がリマスターしたジョージ・セルとクルーヴランド管弦楽団によるベートーヴェンの交響曲全集と序曲集は、1957年から1967年にかけて収録された。1957年といえば、コロンビア・レコードが、1/4インチ幅・2トラックによるステレオ録音を開始した翌年であり、この年から1/2インチ幅・3トラックによるマルチ録音も行われるようになった。

今回使用したオリジナル・アナログ・マスターは、「SW77167」というように「SW」で始まり5ケタの数字が個々に付されてカタログ化された3トラック・マスターである。これらはいわゆる編集済みの「エディット・マスター」で、セッションで収録したマスターを文字通り直接切り貼りして編集したものなのでいわば「第1世代」であり、非常に音の鮮度が高く、クオリティの高いリマスタリングを新たに行なうためにはこの世代のマスターを使うことが不可欠である。

3トラック収録の場合、左右のパースペクティヴに加えて3本目のマイクがセンター・チャンネル、つまりオーケストラの中央に位置する木管パートを主にカバーしている。このリミックスのバランスを決めるにあたっては、私はまずLP初出時に使われた2トラックのプロダクション・マスターを試聴し、オリジナルの3トラック・マスターと比較した。そしてその上で、最新のリマスタリング技術を使うことで、録音当時の技術的限界が補完され(あるいは克服され)、当時のプロデューサーが志向した音づくりをよりクリアな形で再現することができるかどうかを自分の耳で判断し、さらなる調整を行なった。

私が第一に心がけたのは、オリジナル・マスターに刻み込まれた情報量を、SA-CDという大容量のメディアに漏れなく盛り込むことができるよう、アナログ・テープの再生からリミックスのバランスにいたるまで、あらゆる段階で細心の注意を払うということだった。

幸いなことにオリジナル・マスターのコンディションは非常に良好で、作業自体はスムーズに進めることができた。特にSA-CD層では、演奏を包み込むセヴェランス・ホールの空気感をより明確に耳で感じとっていただけるようになったと自負している。セルが息を吸う音や(呼吸は指揮の基本である)、指揮台を踏みしめる音(交響曲第4番に多い)さえも、鮮明に収録されているほどである。存分にお楽しみいただければ幸いである。

アンドレアス・K・マイヤー氏(リマスタリング・エンジニア)のノートより抜粋掲載

参考: タワーレコード×Sony Classical究極のSACDハイブリッド・コレクション第1弾!~セルのベートーヴェン2タイトル

オリジナルを持っていないので比較はできませんが、Tidalで従来からのデジタル化作品を聴き比べる限りは、良好なデジタル化が行われていると確信できます。

とてもアナログ的というか、好ましいデジタル化だなと思いました。
特に9番に関しては、オリジナルLPでは数十万円しますし、版権の関係なのか、過去に1度もLPは再発されていません。その音源がこれだけの音質で聴くことができるのは感慨深いですね。

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また、セルは最近ボックスCDも登場しました。Tidalでもセルの音源は膨大な数があるのでスルーするつもりです。

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