今まで紹介した”Raspberry Piでオーディオ”シリーズは、Volumioのチューニング版であるほーりーさん改を使用していました。
ベースとなっているVolumioはver1.5.5です。
Volumioのオフィシャルサイトでもver1.5.5以降は更新されていません。
しかし、ベータ版としてVolumio2の開発は以前から行われていて、バージョンアップを繰り返していました。
いちおう、その度に試してはいますが、メインにするまでの完成度ではないので動向を見守っていました。
参考: https://github.com/volumio/Volumio2
しかし、今月に入り、オフィシャルサイト上のVolumioが2に入れ替わりました。
これを書いている2016年8月現在、オフィシャルサイトではVolumio(ver0.976)となっています。
バージョンが下がっているのが??です。
今回の目玉の1つとしては、 PC (X86/X64)バージョンが公開されています。
これで、従来のデスクトップ/ノートPCでもVolumioの実験ができます。
Volumio2(version: 0.976)について
便宜上、ここではVolumio2と明記します。
1. WEB UI
初代VolumioのWEB UI編はこちら

従来と同様に、webブラウザに”volumio.local”と打ち込めばこのような画面が登場します。
まずは、I2Sの設定を行います。右上のアイコンからPLAYBACK OPTIONSを選択。
I2SをONにし、DACを選択、SAVEを押すとリスタートし、Output Deviceの項目に、選んだDACの名前が表示されれば設定完了です。
項目の中には、他にDSDの再生(PCM変換)、バッファーサイズなどあります。
次に、My Musicの設定です。
ここでは、手持ちの音源をマウントする作業です。
当方は、USB-HDDを使用しています。exFATでフォーマットしていますが、自動マウントしてくれたのは驚きました。
NASのマウントも従来よりも簡単にできそうです。
自動でネットワーク上のデバイスを認識してくれます。
選曲は左下のBrowseから行います。
従来と同様、フォルダー階層を辿るタイプです。
MPoDのように、アーティスト、ジャンル、アルバム順の並び替えなどはできません。
フォルダー階層、つまりフォルダー名を選ぶ過程で日本語の文字化けなどはありませんでした。
WAVファイルでもタグ情報がきちんと表示されています。
アートワークも表示可能です。
2. SSHでの設定
初代VolumioのSSH接続での設定はこちら

まず、ホスト名は変わらずvolumio.localですが、ログイン名、パスワードがともにvolumioに変更されています。
SSH上は、Volumio2と表記されていますね。
また、MPDのバージョンは変わりませんが、カーネルは4.4.9-v7+ #884にアップデートされています。
この辺は音質に関わる要素の1つだと思います。
SSHの設定を色々やろうと思ったのですが、ここでつまずきました。
初代Volumioで行っていた各種設定がほぼ何もできません。
正確には、やり方が変わってしまったということですが、まだ情報が少なく僕のスキルではこれ以上何かする気にはなれませんでした。
不便な点は、MPoDなどでアートワークが出せないこと。
WEB UIは表示されているので、何か方法はあると思うのですが、わかる方教えてください。
また、HDDのスピンオフ、Last.fmとの連動なども機能しません。
HDDの自動マウントは地味に便利ですが、これも当方の環境では、USB/ボリューム/HDDのフォルダー名 というアクセスになっており、日本語になっている”ボリューム”のせいで、SSH上は文字化けしてしまいます。
今までWEB UIで選曲していた方には違和感なく、概ね良くなったといえると思いますが、MPoDなどの別のクライアントソフトを使用していた方には微妙に感じるかもしれません。
今回のバージョンアップは音質評価の前段階として、まだベータ版の域を超えていないと判断し、常用はしていません。
ただ、最新のラズパイ PI3の場合、初代Volumioでは安定しない話も聞きますので、PI3を使っている方は乗り換えても良いかもしれません。
※2016/10/17追記 正式にVolumio2安定版がリリースされました。

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