相変わらずVolumioを使っています。
新しいファームウェアが出るたびに検証していますし、他のディストリビューションも試してみたりしていますが、操作性や機能性など天秤にかけるとVolumioが一番使いやすいなと思っています。まあ妥協ともいえます。
以前に紹介したことと多少変わっていることもありますので、現時点での情報をまとめておきます。
当方の環境は以下の通りです。
昔はMPDクライアントソフトで操作していましたが、操作性最高だったMPoDが無くなってしまったことと、ストリーミングサービスのTidalとQobuzを使うため、Luminアプリを使用しています。
ハードウェア: Raspberry Pi 3 Model B
音源: NAS(Synology)
DAC: i2s接続 ES9028Q2M
再生アプリ: Lumin(iPhone)
Volumio2(version: 2.609)について
現在のmpdとカーネルのバージョン
mpd version: 0.20.0
カーネル: 4.19.60-v7
1. SSHの利用許可
最初にこの作業をしないとSSHでアクセスできません。
Volumioをインストールしたラズパイが立ち上がった状態で
webブラウザで
http://volumio.local/dev/
と入力するとSSHアクセスの可否が設定できます。
SSH ENABLEをクリックします。
SSHについては省略しますが、RLoginというソフトを使用しています。
参考: RLogin
SSHでログインする場合は下記の通りです。
server address: volumio.local
user: volumio
pass: volumio
2. 事前準備
SSHで立ち上げて最初に行います。これをやらないと、新規機能をインストールするときにつまずくことがあります。
#最新状態にアップデート
volumio@volumio:~$ sudo apt-get update
3. I2S DACでDSD再生をするための設定
USB DACを使っている方の場合は、DoPでもDSD Native(対応DACのみ)どちらでもwebブラウザの設定項目から簡単に行うことが可能です。
ラズパイでI2S再生の場合、デフォルトではDSD再生できないDACが殆どです。
当方が使用しているES9028Q2Mの場合、以前に紹介した通りドライバーを入れて対応させていましたが、Volumioのアップデートのたびに設定をやり直す必要がありかなり面倒です。
何か楽できないかなと調べていると、フランスのAudiophonics I-Sabre ES9028Q2Mで公開されているプラグインがそのまま使えることに気づきまして、今はそれを利用しています。
#ファイルのダウンロード
volumio@volumio:~$ wget https://github.com/audiophonics/Volumio2_I-sabre9028_plugin/raw/master/Q2M_kernel_4.14.92.zip miniunzip Q2M_kernel_4.14.92.zip
エンターを押すと、zipファイルが自動で展開されます。
volumio@volumio:~$ cd Q2M
プラグインのインストール
volumio@volumio:~/Q2M$ volumio plugin install
webブラウザでhttp://volumio.localにアクセスし、インストール済みプラグインにアクセスして、ON アクティブにする。
次にプレイバックオプションでI2S DAC一覧の中からAudiophonics I-Sabre ES9028Q2Mを選択する。
自動で再起動されますので、再起動後、もういちどプレイバックオプションにアクセスし、DSD Playback ModeをDSD over PCM (DoP)に変更。
これでDSD128までは再生できるようになりました。
次に再度SSHでアクセス
#alsamixerの設定
volumio@volumio:~$ sudo alsamixer -Dhw
フィルターカーブの設定ができます。お好みでどうぞ。
参考: audiophonics/Volumio2_I-sabre9028_plugin
4. ストリーミングサービスとの連携
現在利用しているサービスは、Spotify、Tidal、Qobuzです。
I. Spotify
少し前のバージョンから簡単に対応できるようになりました。
プラグインの中からVolumio Spotify Connect2を選んでインストール。
インストール済みの中にVolumio Spotify Connect2表示されますので、ON アクティブにして設定を選択。ビットレートを最高の320にしてSave。
これで、Spotify Connectできます。
Volumioの場合、デフォルトでAirPlayにも対応していますので、スマホでSpotifyを再生して、AirPlayで再生する方法もありますが、この場合、スマホを停止してしまえば音楽も止まってしまいます。
Spotify Connectの場合、スマホはあくまでも選曲で利用するだけなので、スマホを閉じてもそのまま再生できます。
また、Luminで通常の音楽再生をしている場合、そちらが優先されます。
反対にSpotify Connectで再生していても、Luminで選曲するとそちらに切り替わります。
II. Tidal、Qobuz
以前に紹介したときと変わっていません。
まず、Tidal、Qobuzともに日本国内では正式にサービスが開始されていませんので、契約する際は、TunnelBearというソフトを使用します。

次に、Luminで利用するためにBubbleUPnP Serverを利用します。
TidalのMQAはデコードできませんが、Qobuzのハイレゾはそのまま利用できます。
Luminを使わなくてもmconnectというアプリであればTidal、Qobuzも利用できますが、操作性が悪いので…。
これも以前に紹介したままなので省略します。

Tidal、Qobuzの比較についてはこちらもご覧ください。

5. Roon Ready化
Roonについては省略しますが、I2S DACをそのままRoonReady化できます。
#RoonReady化させる
root@volumio:~# apt-get install bzip2 root@volumio:~# curl -O http://download.roonlabs.com/builds/roonbridge-installer-linuxarmv7hf.sh root@volumio:~# chmod +x roonbridge-installer-linuxarmv7hf.sh root@volumio:~# sudo ./roonbridge-installer-linuxarmv7hf.sh
当方のDACはDSD128まで対応していますので、RoonでもDSD128まではビットパーフェクトで受信できます。
Roonについては以前に紹介したときはストリーミングを使っていませんでしたので、TidalとQobuzを利用している現在は利便性が全く違います。
あれからRoonCoreのPCも新調していますが、当方の環境だと音質的にはRoonを使うよりもLuminで動かす方が有利なので2番手の扱いとしています。
RoonはCoreのPCクオリティーがとても重要です。
現状はそこまで本腰でやる気がないので、様子見しています。
6. 不要な機能をOFFする
I. USBをオフにする
DACへはI2S接続、音源はLAN接続でNASから読み込んでいますので、USBは使っていません。
USBをオフにする方法です。
以前に紹介したときと少し変わっています。
#事前準備
volumio@volumio:~$ sudo apt install libusb-dev volumio@volumio:~$ sudo wget http://www.gniibe.org/oitoite/ac-power-control-by-USB-hub/hub-ctrl.c volumio@volumio:~$ apt-get install python build-essential git device-tree-compiler gcc-4.9 g++-4.9 volumio@volumio:~$ gcc -O2 hub-ctrl.c -o hub-ctrl -lusb volumio@volumio:~$ sudo cp -a hub-ctrl /usr/local/bin
sudo nano /etc/rc.localで下記コメントを追加
#USB off sudo hub-ctrl -b 1 -d 2 -P 2 -p 0; /bin/sleep 2; sudo hub-ctrl -b 1 -d 2 -P 3 -p 0;sudo hub-ctrl -b 1 -d 2 -P 4 -p 0; sudo hub-ctrl -b 1 -d 2 -P 5 -p 0
再起動すると反映されます。
USBが起動しているか確認するにはUSBテスターを使う方法が簡単です。
コマンドで確認することも可能です。
volumio@volumio:~$ sudo hub-ctrl -v
デフォルトの状態
Hub #0 at 001:002
INFO: individual power switching.
WARN: Port indicators are NOT supported.
Hub Port Status:
Port 1: 0000.0503 highspeed power enable connect
Port 2: 0000.0100 power
Port 3: 0000.0100 power
Port 4: 0000.0100 power
Port 5: 0000.0100 power
Hub #1 at 001:001
INFO: ganged switching.
WARN: Port indicators are NOT supported.
Hub Port Status:
Port 1: 0000.0503 highspeed power enable connect
USBオフにした場合
ub #0 at 001:002
INFO: individual power switching.
WARN: Port indicators are NOT supported.
Hub Port Status:
Port 1: 0000.0503 highspeed power enable connect
Port 2: 0000.0000
Port 3: 0000.0000
Port 4: 0000.0000
Port 5: 0000.0000
Hub #1 at 001:001
INFO: ganged switching.
WARN: Port indicators are NOT supported.
Hub Port Status:
Port 1: 0000.0503 highspeed power enable connect
II. HDMIとPOWER LEDの停止
POWER LEDは赤いランプです。緑のランプ(ACT LED)を消灯するには別途作業が必要です。
次のIII. WIFI、BluetoothとACT LEDの停止を参照
sudo nano /etc/rc.localで下記コメントを追加
#hdmi stop sudo /opt/vc/bin/tvservice -o #PWR LED off echo 0 | sudo tee /sys/class/leds/led1/brightness
III. WIFI、BluetoothとACT LEDの停止
sudo nano /boot/config.txt で下記コメントを追加
# Disable the ACT LED. dtparam=act_led_trigger=none dtparam=act_led_activelow=off # Disable the PWR LED. dtparam=pwr_led_trigger=none dtparam=pwr_led_activelow=off # turn wifi and bluetooth off dtoverlay=pi3-disable-wifi dtoverlay=pi3-disable-bt
#WIFIの確認
下記コマンド結果にwlan0が表示されなければ停止されています
volumio@volumio:~$ ip link show
7. その他SSHでよく利用するコマンド
バッファーサイズの変更
root@volumio:~# sudo nano /etc/mpd.conf
以下の値を任意で可変
# MPD Internal Buffering ###############
audio_buffer_size “2048”
buffer_before_play “10%”
########################################
alsamixerの設定
volumio@volumio:~$ sudo alsamixer -Dhw
#現在のカーネル確認
volumio@volumio:~$ uname -rv
#MPDバージョン確認
volumio@volumio:~$ mpc version
#温度確認
volumio@volumio:~$ sudo vcgencmd measure_temp
#電圧確認
volumio@volumio:~$ sudo vcgencmd measure_volts
#周波数確認
volumio@volumio:~$ sudo vcgencmd measure_clock arm
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